幸せの連呼

 「あなたの名前を呼べば、私は昨日のことや今日のこと、大事にされたことを思い出せる。どれだけ遠くても、暗くても、受け止めきれない乱暴に晒されて、多くの物事に裏切られた気分になっていても、悲しいだけじゃなくなるから。呼んで、唱えて、会えてうれしかったなあって繰り返しながら、私という存在の認識が終わるまで、暗闇の底で光って遊ぶ。それを、この世のどんなものにも侵させない」-彩瀬まる『朝が来るまでそばにいる』

 

 皆様こんばんは。早速目標を達成できなかったため、②に移行したうららでございます。本日もお付き合いいただければ大変幸せます。

今日は、最近幸せだったことについてつらつらと書いていこうと考えております。

 

【人とつながる幸福】

 私は現在、故郷から少し離れた、海と山に囲まれた三角州に居住しております。

先日、ずっと気になっていた居酒屋で食事をしました。地元の方にも人気のお店で、これまで何度か訪ねたのですが席が空いていない状態が続いており…。この日も、カウンター席しか空いておらず、相方と2人で座りました。

焼き魚、お刺身、てんぷらと、目に入るままを注文。店主の方のむきむきの胸筋にときめいたり、従業員の方の二の腕のむきむき具合に目を見張ったりしながら、地元の食材を堪能する素晴らしい時間がしばし続きました。相方が2杯目を注文したころ合いでしょうか、隣の席にいらした初老のご夫婦に話しかけられました。「旅行者の方?」

 常連の方からすれば、見知らぬ人がカウンターに座っている姿が物珍しかったのだと思います。相方は旅行者だったためそうですと答えます。そこから話がどんどん弾み、私の故郷とご夫婦の青春時代過ごされた場所が一緒だったこともあって、場は大いに盛り上がりました。そして最後にはなんと「またいらしたときはぜひ連絡を」と、連絡先をいただきました。

 ご夫婦のご厚意に心から感謝するとともに、人とつながる幸福を改めて実感いたしました。もし私が空腹に負けて道中のカレー屋さんに入っていれば、相方が魚の気分でないと言えば、カウンター席が空いていなければ、時間帯が少しでもずれていれば、相方が無愛想に返していれば、こうして連絡先を交換することもなかった。出会えたこと、仲良くなれたこと、すべてを尊く、すべてを幸せに思いました。

 

【人とつながり続けている幸福】

 僕には、大学1年生のころから仲の良い友人がおります。一緒に授業を受けるというわけではなく、同じ部活に入っているわけでもなかったのですが、社会人になった後も関係が長く続き、今でも1カ月に1度くらいの割合で連絡を取り合う仲です。

大学時代の友人の中には、いつの間にか疎遠になってしまった人も多いのですが、彼女だけは、なんでも話せる大切な友人として、物理的な距離は離れても、心理的な距離はずっと近しいままです。どころか年々近づいていっている気がしますし、僕は年々彼女のことを好きになっています(もっと言えば、日に日に彼女のことが好きになっています)。

 好きな相手、大切な相手が、自分を好きでいてくれて、それも一瞬ではなく、長い間好きでい続けてくれてもらえるというのは、本当に幸福ですね。環境も人格も状況も変わっていく中で、彼女はずっと僕と「つながっていてもいい」と思ってくれている(少なくとも私はそう信じています)。心の底から彼女に感謝するとともに、変わらないつながりを持つ幸福を改めて噛み締めております。

 同じ相手と何度も出会い、好きになる。なってもらえる。また会いたいと思う。また会いたいと思ってもらえる。生まれてきた意味は分かりませんしあるとも思えませんが、生まれてきてよかった、と、ただひたすらに思います。

 

【あなたといる幸福】

 冒頭の引用について。

僕はもともと、「幸せな記憶」があまり好きではありませんでした。幸せの記憶が鮮やかであればあるほど、苦しい現実に直面した時に、記憶と比較してしまって現在の苦しみが際立つと考えていたんです(早い話、贅沢に慣れると生活水準を下げられないという理論ですね)。

 でも今は、幸せな記憶を、とても愛おしく思います。私の心を支え、苦しい現実を生きていく分の勇気をくれる記憶です。思い出すだけで、「悲しいだけじゃなくなる」んです。思い出すだけで笑顔になれる出来事。思い浮かべれば胸が温かくなる人の姿。その記憶さえあれば、また次にいつか必ず感じられる幸せのために、耐えられるし、立ち向かえる。昔の私にそっと教えてあげたいです。いつか降り注ぐ苦しみに耐えるためにも、幸せな記憶を蓄えるんだよ、と。たくさん幸せを覚えておくんだよ、と。

 人と出会うと、一緒に別れがついてきます。相手に心を注ぎ、自分の中に専用の場所を確保すればするほど、失ったときに大きな穴が空きます。とても怖いことです。でも、ずっと苦しいままでいるよりも、苦しくなっても、幸せでいられたことを大切にしていく方を選びたい、と今は思います。あなたといられる幸福。あなたといた幸福。誰にも奪われない、私だけの、大切な記憶。

 

 ううん、今回はずいぶんポエムな内容になりましたね。恥ずかしい。というか、ひたすら「幸せ!幸せ!マジ幸せ!」と叫び続ける怪しい記事になってしまいました…。次回はもうちょっと、自分の趣味のこととか趣味のこととか趣味のこととかお話ししようと思います。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

またお会いできればとても幸せます。

それではまた!

Желаю вам счастья.